玉川上水(武蔵野市)の事務所から…

ライターの仁です。企業広報分野でIR(Investor Relations)などの仕事をしています。折々の、あることないことで、気にとまったことを発信します。

顧客・顧客サービス・顧客データ

どうして? コンビニ商品、売り上げの低い商品なのに売り場から外せない――ビッグーデータがもたらす店作り

2013年3月18日(月)

従来の視座による売れ行き商品というデータで見たら、まずは売り場から撤去されてしまうはずのあるスィーツ(商品)が、何故か、外されることもなく棚に残っている。

コンビニ・ローソンでの具体例として日経(17日)が伝えている。

残っている理由は「ビッグデータ」によるもので、ビッグデータがお店の商品構成こと「店作り」を変えつつあるというのだ。

「ビッグーデータ」はこのところメディアでしきりにとりあげられている。
なんでも、新聞の朝刊数十万年分(数百テラバイト/テラ=1兆)に相当するという膨大なデータのことで、それを解析するマーケティング手法のこと。

◆データの種類
・ポイントカードの利用履歴
・交流サイト(SNS)などの書き込みやつぶやき
・位置情報
・気象情報
 など

パイ
店舗のタナから消えるはずの商品が残るのは…?

このビッグデータの読み込み(解析)により、従来なら棚から消えるはずのスィーツが残った。
確かに売り上げの絶対額では貢献度は低く、棚から外されてしかるべきスイーツである。

どうして残ったのか?

「リピート率」にあった。


1人の顧客がそのスィーツを相当な頻度で購入するという。
しかもその顧客は来店頻度が高い。(ポイントカードのデータからですね)

もしそのスィーツを外せば、その客は競合する他の店に流れる可能性がある。
だから、外せない。


なるほど。
ビッグデータってそこまで(個人の嗜好まで)読み込んで、店作り(棚の商品構成)そのものまでも変えてしまうというわけだ。

おそらく、個人の嗜好とということなら、誰もが、これだけは、この商品だけは……相当な頻度で購入するというものを持っているはず。しかも、買う店は決まっている。

もし棚から外されたら、おそらくその店には行かなくなるし、行っても、これまでのような頻度ではなくなる。

お店にとっては大事な顧客を1人失うことになる。

大きな店舗がどうなのかは分からないけど、コンビニとか普通の店舗なら、確かに顧客をのがしてしまう。

コンビニ
ビッグーデータが商品構成を変え、店作りをかえる

ビッグデータはまだまだ、限定された使い方しか出来ていないらしい。何を調べたいか、何を分析したいかによってデータの絞り込みをしなければならない。それにビッグデータを扱える企業は今はまだ大手に限られるのでは。

つまり、進化中のマーケティング(データ処理技術)ということなのだろうが、品ぞろえや商品開発が細かになるなどに影響を与え、店作りそのものまでも変えているのは間違いない。

ちなみに僕は、ある時から、それまで使っていた近くのスーパーから少し遠くのスーパーに僕の一番店を変えた。玄米パンが置いてなかったからだ。それを一袋ほとんど毎日ように買う(2個ぐらいづつまとめ買いだが)。

糖尿病を宣告され、食事の内容を変更するために。
で、パンは玄米パンに切り替えた(厳密には玄米入りパン)。P社のイングリッシュマフィンに。

ところがこの玄米パン、置いてる店と置いてない店がある。白い普通のパンのマフィンは置いてるあるが、玄米のマフィンは置いてない。それでなくともこのマフィンは普通の角形の食パンより高いうえ、同じマフィンでも、玄米のそれは白い方より高いから、あまり売れないのだろう。

でも僕には必要だ。だから店を変えた。

もう一つ。
昨年の12月、武蔵境駅北口に店舗をこれまでの数倍規模にしてリニューアルしたスーパーがTAIRAYA。

新装開店で出向いてみたら、僕が買うその玄米パンが置いてあった。でも一週間したら、なくなってましたね。売れきれかと思ったら、そうではなく、それ以後もずっと置いてない。棚から撤去されました。白い方のマフィンは置いてあるのに。

そういう現実だ。

※僕の場合、日がな一日PCに向かい続ける作業なので、気分転換もあってスーパーウオッチによく出かけます。仕事にも役立つので、あっこっちのスーパーに出向きます。吉祥寺のタウンウオッチもそうです。



銀行の顧客サービス明と暗 「未来の支店の姿」が誕生!

2010年6月3日(木)

ぼくはフリーランスだから給料日云々はあまり関係ないけど、給料日や月末になると、銀行のATMの前には長い行列ができる。これって要は、貧乏人顧客相手のサービスなど「どうでもいい」という、(その経緯はともかく)銀行の高飛車で身勝手なサービス放棄がいまや当たり前のものとして定着してしまった姿れそのもの……なんだけど。

昨日の夕方、近所の都銀の支店へ行ってお金を引きだした。支店入り口にあるロビーのATMコーナーにはいって驚いた。ATMの数と較べて、利用者の数からいっていつもなら並ぶはずがないのに、なぜか人が並んでいたのだ。「なんだァ?」

そしたら、7つか8つ設置されていたはずのATM機の半分が撤去されて、残っているのはたったの3つだけになっている。ATMが撤去されたあとはATM機を設置する間仕切りのブースがそのままになって残っていて、そこだけガラ〜ンとした空洞状態。

そりゃあ、貧乏人顧客相手のサービスを無視してでも、銀行は無駄な支店、無駄な人員配置……、無駄なATMは撤去するだろう。で、なんか銀行のサービスは年々低下することはあっても、よくなることはないだろう、と思っていたら違いましたね。一昨日(1日)の日経の夕刊に出ていたのは、サービス向上についての記事だった。それも顧客重視の「革新的」ともいえるサービス向上の――。

それがHSBC(香港上海銀行)のように超A級の富裕層顧客相手の特別な銀行ならわかるけど、そうではなく、それを試みたのが地方銀行だというから驚くのだ。まさに、未来の「銀行支店」の姿のひとつでもあるからだ。

驚いたと記したものの、その実それを試みたのが、静銀こと静岡銀行だと知って納得した。ぼくの中では、地銀でも静銀なら総合的に優秀な銀行としてトップクラスに位置づけられているからだ。で、なるほど、さもありなん、と思った次第。

銀行に入って当たり前になっているのは、銀行支店のおよそ7割は銀行側が使用して、残りの3割が顧客の空間だということ。その7対3の配分比率を逆にしたというのだ。顧客の使用空間を7割、銀行を3割に。

しかも、それだけではない。これまで1分で済む用件のために客の後に並んで10分かかるような非効率を回避したというのだ。窓口を法人、個人、それに簡単な手続き専用のエクスプレスと機能別にしたからだという。

で、この顧客の空間が増えた背景には、およそ900ある支店の事務業務を600に見直したり、伝票チェックの電子化などによるものだという(減らした300は本店に一元化)。

これって銀行の支店経営には、まさに画期的なことではないのか。この取り組みは頭取の音頭ではじまったという。頭取は、自身の支店時代に感じていたという。
「銀行は頭が高いと思われている」
それで、「お客様と同じ目線で」を徹底したら、こうなったということだ。


顧客の不便を顧みることなく銀行側の論理で顧客重視のサービスを見捨てている一方で、まさに顧客重視を徹底して考えることで出てきた、銀行支店の「未来の姿」。これは注視したい。
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