玉川上水(武蔵野市)の事務所から…

ライターの仁です。企業広報分野でIR(Investor Relations)などの仕事をしています。折々の、あることないことで、気にとまったことを発信します。

再開発・街整備

吉祥寺 街の整備か再開発か

2008年8月16日(土)

■吉祥寺駅周辺の整備計画がすすめられているという。駅周辺の狭い道路に自動車や自転車があふれ、賑わいの足かせになっているというので、地元自治体の武蔵野市が駅周辺の地下空間を活用した駐輪場や駐車場の整備策定で動き出したと、日経の地元面が伝えている。

■あてがなくとも週に一、二度は出かける街なので、単なる街の整備計画なのか、それとも再開発を見こしての大がかりなスキームの策定なのか、興味がある。

■単なる整備なら吉祥寺の良さがより維持されることになろうし、そうではなく不動産会社などのような大手企業に魅力のある、どこにでもある一大商業地を見こした再開発事業による街並みの再生なら、吉祥寺が持つ街の魅力が失われることになるからだ。

■武蔵野市が動き出したのには危機感があるからだ。市街地の街づくりで立川に後塵を拝し、新宿より西の中央線沿線では、今や駅乗降客NO1の地位をその立川に01年に追い越されている。くわえて(不動産の)路線価格も06年に、やはり立川駅前が吉祥寺駅前を抜き、多摩地区一位の座を奪っている。

■市が危機感をいだくのもうなづける。しかし吉祥寺が吉祥寺の魅力を生み出してきたのはやはり吉祥寺独特の街の雰囲気と、それを取り囲む高級住宅地や井の頭公園などがあることを忘れてはいけない。そして吉祥寺らしい小綺麗な洋品や雑貨などのおしゃれな雰囲気の店と共に、庶民的な一杯飲み屋などが併存できている街空間を成立させているのは、駅周辺の大地主がお寺ということもあって、不動産屋の大規模再開発や乱開発からまぬがれてきたことによる。

■大規模再発が出来ないからこそ、あの吉祥寺独特の街の雰囲気が、文化が、コミュニティが維持・発展してきた。「住んでみたい街NO1」の魅力や地位はそうしたさまざまな要因が支えている。街は訪れてくれる来街者がつくるものだが、同時に、やはり周辺住人の影響は小さくない。吉祥寺は地元住民以外の若者などが数多くやってくる街だが、それとともに地元住民の生活のための街でもある。

■今、下北沢が再開発で揺れている。これまでのあの街独特の街のコミュニティが破壊されかねいというので反対運動が起こっている。吉祥寺が下北沢のようにはなるまいが、ならないという保証はどこにもない。駅舎程度の再開発ならまだしも、街を壊して独特の文化を失ってしまうような再開発の波にだけはさらしたくない。現時点では単なる整備だけのようだが、これについても街を壊さない整備であって欲しい。



千代田区富士見町――威容を誇る超高層が建つ!

2008年7月3日(木曜)

■昨夜は飯田橋で飲んでいた。夕刻、突然の呼び出しがあって仕事をうっちゃって出向いた。

■飯田橋は月に一、二度出向くが、昨夜の店は馴染みだけれど久しぶりだった。駅の東口、つまり駅と神田川をはさんだ神楽坂とは反対方向の盛り場にある店だが、この盛り場の一画が再開発されていたのは以前から知っていた。住所で言えば千代田区富士見町、すぐそばに靖国神社などがあり都心でも一等地である。

■昨夜、店を出て見るともなくその工事現場の中空を仰ぎ見たら巨大な山のような超高層ビルが周囲を睥睨するがごとくに建っていた(まだ工事中だが)。

■いや驚いた。再開発敷地の面積から相当な規模のビル群が建つとは思っていたものの、いざその姿を目にして圧倒された。マンションは38階建てとのことだが、これができたらこの一画はすっかりイメージが変わってしまうだろう。

■飯田橋にはかつて、この富士見町の一画と春日通りをはさんで反対側に操車場があった。その跡地にやはり巨大なビル群が建ち、すっかり大手町の様相にみちたビジネス街に変身している。

■線路跡と言い、富士見町と言い、どちらも春日通りをはさんで一歩奥まったところが再開発されての巨大なビル群なのだが、この富士見町のビル群ができると周辺の小さな盛り場のはいった小さなビルも次第次第に建て直されるのではないのか。

■何軒かの小さな飲み屋の主人によれば、彼らとはまったく関係なく再開発されているのだが、それは世の中(社会)のならい。意義をはさもうがどうしようが、建つものは建つ。今後、彼らは資本の論理という波で、そこから排除されるのかどうかわからないが(と、他人事のようにに言っている)、今や都心では日々街の様相が変わっており、珍しくもなんともなくなった。

■ぼくが住む三鷹駅の北口でも今、再開発でツインの超高層ビルが工事中だ。こちらはマンション中心だが開発しているのは飯田橋・富士見町と同じデベロッパーである。まだ、その威容を見せてはいないが、その富士見町と同じような規模の建物が建つということだろう。ビジネス街での威容は、それはそれでいいが、住宅街に出来る威容は如何なものなのだろうか。

■地元では景観保護をかかげた反対運動もあったが、所詮なしのつぶて。市側も援助している以上、お手上げである。住宅街に溶けこむ威容なのか、それとも目障りな威容なのか、おそらく後者だと思うが、目障りだと言いつつ、利用することになるのだろう。勝手な言いぐさではあるが――。

記事検索
読者登録
LINE読者登録QRコード
Recent Comments
Archives
Categories
  • ライブドアブログ