玉川上水(武蔵野市)の事務所から…

ライターの仁です。企業広報分野でIR(Investor Relations)などの仕事をしています。折々の、あることないことで、気にとまったことを発信します。

自治体・行政

アンテナショップ2016新たな動き 厨房やバーラウンジの新設、インバウンド対応も!

2016年5月30日(月)


以前かかわっていた販促誌の仕事で、都内の各自治体アンテナショップを継続して取材したことがあった。

その頃からそんなに年数は経ていないのに、まさに「時代の相貌を写す」と思える新たなショップ展開の動きが進んでいる。28日(土曜)の日経・首都圏版に出ていたアンテナショップの記事を読んでそう思う。

各自治体のアンテナショップの拡充が進んでおり、出店の場所(地域)を変えての2号店の新設や、市町村からの出店も……。

15年度に10億円の売り上げを誇った北海道は、ショップ内に「実演厨房」を新設し、店頭で北海道地元産の食材を調理して道産の食材をPRしたり、インバウンド対応で新たに免税カウンターも設けた。道庁から委託を受け、札幌丸井三越が運営・管理を受託しているのも見逃せない。

また富山県の2号店では、富山の海や山の幸を味わえる「和食レストラン」や地酒を提供する「バーラウンジ」を新設した(6月オープン)。こちらの店舗は物販中心の1号店(有楽町)とは別に、「富山を味わい体感できる」ショップをかかげて1号店の4倍の面積で日本橋にオープン。長崎県もやはり2号館「日本橋 長崎館」をこの春開店させている。

都内の賃料が高くて出店は道府県にかたよっていたが、最近では市町村の出店も増えているとのことで、広島県呉市は浅草に、海上自衛隊のカレーを再現したショップをオ―プン。スペースは9平米と狭いものの、運営費は年間300万円に抑えてある。

同様に青森市は青森県内の4町村と連携して赤坂にアンテナ店とビジネス拠点を兼ねての出店を果たしている。県産品の商談会もあるという。

都内のアンテナショップは15年の4月時点で55店あり、これまでで最多。有楽町・銀座がアンテナショップの二大激戦区だったが、そこに並んで今や日本橋も激戦区になりつつあるとのことだ。

商売とは縁遠い自治体だが、
そこは競争激烈だから今や欠かせない広報戦略であり、おのずと民間の知恵を借りたり仕入れたりして、新たなショップ展開が進展中だ。






都内・アンテナショップの数が最多の55店舗に

2016年2月17日(火)

昨秋、僕の地元の吉祥寺の中心商店街に下呂温泉(岐阜県)のアンテナショップ「いで湯千年のかおり」が誕生した。

下呂温泉観光協会が仕掛けている店舗だから温泉をアピールすのは当然だが、それでも岐阜県を大きく打ち出すより「下呂温泉」の方が知名度的にもイメージ的にもいいからだろう、この店名の採用は。

それに温泉地のアンテナショップはおそらくこの店舗が都内では初めてだろう。販売している商品は他の地方のアンテナショップと同じく、岐阜県内各地の企業が手掛ける名産品が軸となる。

以前、販促の専門誌に携わっていてアンテナショップについては何度か取材したこともあって、手にしたばかりの地域創造に関係した専門誌「日経グローカル」の記事がそれなりに目に留まったので下に記した。

それに下呂温泉だから、高山がある飛騨地方の産品も少なくない。たまたま広告代理店の知人が、高山の観光関連業に携わっており、東京と高山を行ったり来たりしている。

それもこの春で終わるかもしれないが、ビジネス視点の話が現地からいくつも振られているので、僕にも絡んでくれないかと言われている。外国人がわんさと来ているとのこと。はたしてそのビジネスの話に絡んだものかどうか。

話を戻そう。吉祥寺にはいくつかのアンテナショップと共に外国からの日本参入を目指して、いわゆる第一号のアンテナ店舗をオープンさせる企業も少なくない。これは吉祥寺特有の街の雰囲気や集まる人たちの感度のよさを見越しての故だが、他方で都内のアンテナショップのほとんどは銀座・有楽町・日本橋に集中している。

最新号の『日経グローカル』(2016.1.16号)が地域活性化センターの調査として伝えている。都内の自治体のアンテナショップの数が2015年4月時点で55店舗にのぼり、過去最高の数になったと。

それからアンテナショップにも変化の兆しが表れているとして、これまでの物販や観光案内に加えて「移住促進の窓口機能」を設ける店舗などが増えているとも。

調査は一年以上の常設店舗でおこなわれ、観光案内所や事務所機能のみの施設は除外し、入場者数・売上高など22項目を調べている。

55店舗の内訳は都道府県が42、市町村が13とのこと。前回の調査時点(調査は毎年)と比べると8店舗増え、5店舗が閉店し、3店舗の純増という結果に。

100万人以上の入館者があったのは北海道・栃木・新潟・沖縄の4店舗で売上高で見ると7億円以上10億円未満は北海道・沖縄の常連2店に広島が加わり3店に。5億円以上7億円未満では岩手・新潟・鹿児島の3店で、一番多い売り上げは1億円以上3億円未満で15店舗ある。

上述したが移住促進に向けた取り組みとしてはパンフレットや書籍の設置が29店舗あり、交流会やイベントの実施は8店舗、相談員の常駐4店舗と、地域社会は首都圏からの人材移住をアンテナショップを戦略起点にあの手この手で取り組みだしているというところ。

一目瞭然 知ってはいるけれど……「原発交付金」依存自治体 この違いには驚愕!

2013年7月24日(水)

総務省は昨日23日、2013年度分の普通交付税の配分額を決定した。

普通交付税とは、
国が地方自治体の財源不足を補填するために配布する地方交付税の一つだ。

メディアはこれを、何ごともなく、当たり前のように報道しているが、
総務省のHPを見ると、下記のような資料が載せてある。

平成25年度の全国の各市町村へのその交付税の決定した額の一覧表がある。
(上から北海道と青森県だけでも見てください)

いや〜驚きましたね。
こうして一覧すると、その違いは驚くばかりに明々白々、
あまりにも歴然としすぎて……もう、ただただ呆然とするばかり。

何がって?

全国の市町村は、そのほとんどが数十億の交付税を受けている。

それが北海道だとご覧の通り、泊村だけが「0」、
青森県だと六ヶ所村だけが「0」とある。

(※東京都や一部の裕福な自治体には交付税「0」のところも)

これ、要するに手厚い原発交付金があるから「0」なんですね。

そのことは、わかってはいる。

わかってはいるけれど、
こうして示されると、
如何に原発交付金に依存しているかが分かるというもので、
当該する自治体の歪んだ財政体質の異常性が分かる。

もっと詳しく自治体の原発交付金依存体質について知りたい方はこちらを、どうぞ。



原発交付金依存の「麻薬漬け」体質(データ)から見えてくる、自治体の姿



原発交付金依存の「麻薬漬け」体質(データ)から

見えてくる、自治体の姿




下記のブログの内容は2011年7月時点のものです。
このブログには12年になってもアクセスがあり、またこのところ、福井県の大飯原発の再稼働がほぼ決定したことにより、この数日間のアクセスが多いので多少手を加えました。下の方に福井県の原発絡みの交付金についての書き込みがあります。太字にしてありますので読んでみてください。(2012年6月13日に記す)





※以下は2011年7月の時点で書いたものです。

大飯原発
大飯原発

2011年7月4日(月)

昨日の日経(3日)が詳しく書いている。1ページ全面を割いて、俗にいう「電源迷惑料」こと「原発交付金」と、それを受けとる自治体との関係について。

憶測で語られることが多かった迷惑料を受けとる自治体の実態があぶり出されている。表や数字のデータの裏付けがあるから、説得力や理解力が違う。


ぼく自身そういう自治体の実態について知りたかった。ネット上にも情報が出ているけれど、それらはデータがなかったり古かったり、あったとしても限られたデータなどで、どうしても単なる意見の域を出ない。

日経の検証記事は、こま切れ記事ではないところが、時宜を得た情報と言える。
読んで分かったのは、手厚い交付金の配分が、地元自治体を交付金無しでは運営できない「麻薬漬け」の体質に変えてしまう、という姿だ。

原発事故による放射能汚染という最悪の事態が出来(しゅったい)しなければ、たとえ原発が数年停止して原発稼動による交付金が削られても、そこには面妖なことに、二重三重の別な形の手厚い交付金支給の仕組みさえ存在している。


そもそも原発交付金の仕組み(後述)に、「税収が乏しい地域に財源を配分する」という立て前で、原発立地を後押ししてきた名分があるからだろう。

交付金と自治体との関係の実態が少し理解できると、自治体の言動の背景に「なにがあるのか」などがおのずと見えてくる。


まず理解しやすいように、俯瞰的な視点で3点をおさえておく。
一つ目は原発の新設と交付金。出力135万キロワット(※下記を参照)の原発を新設するとしよう。これで運転開始までの10年間で481億円、その後40年間で903億円の交付金が自治体に入る。

これは政府の試算による数字だ。あわせると総額で1384億円。ちなみに、福島第一だけでこの交付金の約3・4倍になるから、ざっと4700億円。

※参考
福島第一・1号機( 46万キロワット)    
     2号機〜5号機( 78万4,000キロワット)  
     6号機(110万キロワット)    

柏崎・刈羽・1号機〜5号機(110万キロワット)    
     6号機(135万6,000キロワット) 
     7号機(135万6,000キロワット) 


二つ目。日経が冒頭で「原発の町 財源一極集中」と見だして書いているのだが、宮城県の女川町65%、青森県東通村63%、福井県高浜町55%――これらの数値は07年〜09年度に原発にからまる財源として、これらの町村が受けとった歳入に占める割合だ。関係自治体では、16の市町村が5割を超えている。

その財源とは、原発や火力や水力などの電力施設がある自治体が手にできるもので、「電源立地交付金」と電源施設からはいる「固定資産税」だ。ほかに発電中の原子炉に装填する核燃料の購入価格に課される核燃料税や、電力会社から直接はいる寄付金などもあるが、日経のデータでは上記の2つを財源としている。


三つ目が通称「電源迷惑料」と言われる、この「電源立地交付金」。この交付金が支払われる根拠は、1974年の電源三法(※下記を参照)の制定に遡る。前年の73年に、第一次石油ショックに見舞われたことによる制定だ。


※参考
電源三法とは次の三つの法律の総称。
第一は電力料金に上乗せされる「電源開発促進税」で、国税であり電力会社を通じて国に納められる。
2番目に「特別会計法」=正確には「電源開発促進対策特別会計法」。上で集められた税金が国のエネルギー対策特別会計に組み入れられ、関係の自治体に配布される。
3番目に「発電用施設周辺地域整備法」。読んで字の如し、2と同様、自治体のハコモノやインフラ整備などに費やされる。


これらを踏まえて、たとえば今、原発の再稼働かどうかで、玄海原発の再稼働に同意を示す佐賀県の地元自治体があれば、一方で難色を見せる全国で最多の原発13基をかかえる福井県の地元自治体がある。

まっぷたつに対立する意見をこのところ連日メディアを通じて接していても(ぼくはテレビをほとんど見ない)、その背景に何があるのかは、何となくわかっても、その実、どういうことなのかはよく分からない。ところが、背景にある交付金等のデータや、その知識に触れると、このカラクリが分かってくる。

上記の福井県の例でいうと、県知事の反対の発言がメディアで取り上げられているが、その実、福井県の16年までの今後5年間の原発関連の収入は、過去5年間の2倍近い約600億円の税収が見込まれるように、既に手だてが打たれている。

県は原発停止の長期化を見越し、核燃料の購入価格に課す税金のアップや、停止中の原発にも熱出力に応じて課税できるよう、より確かな徴収の仕組みを練り直し済みだ。表面では反対でも、裏ではきっちりと原発にからんだ施設からの財源の確保が為されているというわけだ(11年度の核燃料税は約65億円と、県税収入の7・5%を見込む)。そしてそういうことが、地元自治体では原発行政上、出来てしまうのだ。痛みの代償とでもいうか、これもつまりは迷惑料なのだろう。


まだある。知っての通り、新潟県柏崎市にある東電の柏崎・刈羽原発7基はすべてが中越沖地震で2年以上停止している。それでも07〜09年度に118億円の交付金を受けとっている。激甚災害による交付金3倍の特例が適用されたからだ。さらに震災復興の特別交付金も出ている。

原発事故で放射能が飛散すれば、それですべてが取り返しの付かないことになり、家産も仕事も放棄しなければならなくなり昨日までの生活が一変してしまうが、しかも今後何年何十年続くか分からないが、それでも地元自治体は原発リスクを抱えながらも、苦しい板挟みの中にありながらも、原発交付金等に頼らなければならない体質になってしまっている。


長くなるのでこのあたりで措きたい。詳しくは日経に目を通していただきたい。最後に、電源立地交付金のからみで一つだけ。日経のデータには原発の他に、火力、水力も含めての歳入に占める割合の上位10の町村が出ている。そこに、7位に、新潟県の湯沢町とある。歳入に占める割合が55・1%である。

90年代のピーク時ほどスキー客が訪れなくなったとはいえ、それでも首都圏では冬場のリゾート地として知られている町だ。それに川端康成の『雪国』の舞台としても有名な温泉地だし、最近では「フジロックフェスティバル」(今月末に開催)の会場などとしてもしられる、いわば観光地であり温泉地であるのだが、そしてまたそういうイメージでしかなかったのだが、その湯沢町が、電源立地にまつわる交付金と固定資産税で潤ってる町だとは知らなかった。

この町には豊富な雪解け水があるから、水力が活用されているのだろうが、それにしてもあの観光地の湯沢が(バブル期にはリゾートマンションが乱立した地でもある)、上位にランク入りしているというのだから、交付金との関係では驚くしかない。水力でこれだから、しかも観光地であるにもかかわらず、である。となれば産業基盤のない小さな自治体なら、原発リスクなど……そこには板挟みはあれど、すがりつけるだけすがりついて、「いただけるものは、いただこう」ということなのだろう。

アンテナショップの実態と、ビジネスヒント

2009年7月23日(木)

■アンテナショップの実像・実態がどうにか理解できた。最新号の『日経グローカル』が特集で実態というか、現状をかなり詳しくレポートしている。優れたレポートである。

■ひと言でいえば、アンテナショップはショップとしては鵺(ぬえ)のような存在で、ビジネスモデルとしての体を成していない、どころか、採算的に見合っているのは、売り上げでトップを誇る上位数県のショップのみ。

■もちろんアンテナショップは物産販売の採算だけを目指しているのではないことは百も承知。地域や地元の情報発進や観光PRもあるし、アンテナが意味するとおり地元の物産の生産者などに(都市部での)情報をフィードバックするなどの機能も果たす。

■ところがこの情報のフィードバッグの実態だが、各県のアンテナショップには人員の余裕がなくほとんど出来ていないのが現実。アンテナの名が泣く。

■レポートを読んだ感想は、アンテナショップのコンセプトというか、テーマというか、そういうものが一見あるようで無く、ビジネスモデルとしては相当貧弱だということ。民間が考える、いや商売として取り組む、店舗運営の計画にははるかに及ばない、ということだ。

■和歌山県の関係者が言っている。「アンテナショップというところは、行政はPR拠点として、物産品の出品者はテストショップやマーケティングショップとして、消費者はセレクトショップとして見ている」など、それぞれがショップに対するとらえかたの解釈がまちまち。

■そうしたことがアンテナショップの、コンセプト的な面での存在意義を薄めており、上述したように鵺的な存在となっている。

■そのうえに、ショップの苦しい運営がかかわってくる。各県はおよそ年間一億円を投じている。投じているものの、各県がアンテナショップに抱いている目的もショップのコンセプトやテーマもかなり曖昧なのが実態。

■県という自治体が存在して運営しているからだが、その自治体の運営ということで、要は運営のための運営が先にあり、そこがまさにお役所的。重い経費がありながら、費用対効果は不透明だし、ショップ運営の目的も曖昧。

■実は以前、物産展に興味を覚え、デパートなどの物産展とは別に、都会で地方の物産をPRできたり、販売できたりする場を設けて、それをシステム化してビジネスにできないものかと思ったことがあった。ベースには販促やイベント、集客の発想がある。

■一番のヒントとなったのは取材した板橋区の大山商店街(東武鉄道で池袋から二つ目か三つ目の駅です)の事例だった。その事例は有名だからここには書かないが、あの商店街が独自に運営しているアンテナショップは実に素晴らしいシステムが構築されており、商店街に大きな利益をもたらしている。いや、商店街だけではない。地方都市も喜んでいるのだ。商店街、地方都市、その物産販売業者等がまさにウイン、ウイン、ウインの関係にある。

■銀座や日本橋にある各県のアンテナショップも色々調べたが、ぼくが専業でそれをビジネス化するのならまだしも、それまでの思いや取材でのヒントをもとに、ぼくのアンテナに反応したひらめきだけではいくらなんなんでも、ビジネスにつなげるまでにはいかない。

■もちろん、そのビジネスの話しは周囲に話した。確かに地方の物産品を都会でPR・販売できるようなシステムを創りあげたらビジネスになるとはいうものの、その実態や実情を具体的に探り出せるところまではいかなかったので、そのままになってしまっていたのだ。

■でもこのシステムをつくりあげたら、面白いビジネスになると思うのだが……。
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