玉川上水（武蔵野市）の事務所から… : April 2010

April 2010

April 20, 201022:07

カテゴリ: 偉人・傑物; 歴史

体重三十貫、つまり１２０キロの巨漢女だったあの女性――坂本龍馬が“かなわん”わけだ

２０１０年４月２０日（火）

今朝の新聞に、作家の津本陽が坂本龍馬についての一文を寄せた全５段のカラー広告があった。日経といくつかの地方紙の連合広告と謳ってある。司馬遼の龍馬ほど有名ではないものの、津本にも津本版龍馬作品がある。

ぼくは、個人的には龍馬への興味が薄い。そのせいか、龍馬の司馬本も津本門も手にして読み出したが、なぜか途中で放り投げてしまった（個人的には勝海舟が好き。それと幕末を俯瞰する意味で最も面白く読んだのは、未完だが、大佛次郎の『天皇の世紀』）。

ただし幕末の超人気スター、いや歴史上の超人気スターでもある龍馬だから、まず見ることのない大河ドラマをことしは珍しく、続けてみている。

で、よく言われるのが、龍馬が、姉の乙女にはまったく頭が上がらなかったというくだり。当然、大河ドラマでも、乙女役の寺島しのぶと福山龍馬とのやりとりなどが描かれるが、ことさら龍馬が乙女にたいして頭があがらないというような強い印象は、その描き方からはあまり受けない（たしかに家族間では、龍馬と乙女との関係が一番密に描かれてはいるが。おそらくこれから、手紙を乙女に書きつづける龍馬の姿が、執拗に描かれると思う）。

それでだ、いきなりだが、龍馬は身長五尺九寸（約１７９センチ）の堂々たる体格だったというから、当時の日本人としては図抜けて大きな男だったことがわかる。

ところが、である。津本に拠れば、姉の乙女は、その龍馬に輪を掛けた巨体だったと新聞広告の一文で言っている。

乙女の身長は五尺八寸（約１７６センチ）、そして体重三十貫というから、今で言うと約１２０キロ。まさに相撲取り然とした巨漢（漢は男の意味）の大女だったとのこと。

それなら、わかる。乙女は文武両道に秀でていたというし、そういうことなら、龍馬を鍛えあげたということもうなずける。さすがに寺島しのぶの乙女像にそれを期待するのは無理だが、実際の乙女がそれだけの巨漢女だったといなると、それだけで、乙女が龍馬を鍛えあげたと言われていることに真実味がまし、納得がいったしだい。

ゴシップをもうひとつ。今朝の新聞広告から。今朝の朝日に、龍馬の母親役で登場し、早々に死んでしまい、姿を消した坂本幸役の草刈民代がいた。

その草刈民代が全裸でバレーのポーズをとっている、鍛えあげられた肉体だけがもつこれ以上ないほどの美しい裸身が載っていた。全１５段の全面広告だ。まさに芸術的な神々しいまでの肉体美そのもの。これこそが本物。（質が違うが）女優のヌードなど足元にも及ばない。

タグ：: #土佐高知; #津本陽; #幕末のスター; #大女; #坂本龍馬; #坂本乙女; #草刈民代; #龍馬の姉; #偉人

April 19, 201020:32

カテゴリ: ビジネス・ベンチャー; 未分類

２０００万投資のアレ、何百億を投じるソレ…桁外れの投資に見るあれこれ

２０１０年４月１９日（月）

例によって昼夜がひっくり返った生活。朝刊と夕刊を一緒に読む。

今朝の日経朝刊の一面トップは、就職できない大卒の支援に関する記事だった。人材派遣などの人材サービスに関わる大手企業が２０００人を一時雇用して他社への就職を世話したり、またある企業は中小企業の紹介サイトを立ちあげたりするなどして支援するという。

青学では就活で留年する学生の学費を半額にするらしい。厳しい、本当に厳しい状況に置かれている就活学生支援のセーフティ・ネットというわけだ。

ところで同じ日経に、大学絡みのインタビュー記事が載っている。そこに、４年間でほぼ２０００万円を投資（学費・部屋代・生活費等）して、待っているのは卒業即失業という現実が当たり前になっている学部生たちに触れた発言。それは桁外れの投資に対しての、それこそ厳しい現実であるとの指摘だ。

言ったのは、作曲家の三枝成彰。音大生の就職についての発言である。希望の就職先であるオーケストラは狭き門、つまり卒業即失業が当たり前というわけだ。

音大生の学生生活が高額なのは知ってはいるけど、そうした高額の学生生活も含め三枝が発言しているのは、大学の首都圏からの移転の提言。地方活性化を踏まえた、３０年を掛けての移転の提言である。

ここでは三枝提言の主題に触れるつもりはない。音大生や芸術系の学生などが、そうそう思い通りの就職がままならないのはいまに始まった話しではない。ぼくの知人にも音大の修士課程を出て、専門学校などで教師をしながら、やっと自分の思い描いた音楽の道で食べているひとがいる。

作曲を「売り」にして、教えているのだ。２０年以上を要したのではないか。ようやく希望通りの仕事につけたわけだが、その道のりの長かったことといったらない。食うや食わずとはいわないが、音楽の世界で食べていくことの困難からその知人を想起した。

実力の世界と言ってしまえばそれまでだが、ピアノ講師でラクに喰えたのに、それを選ばなかったのは知人のプライド故か。

それにしても投資に見合う就職や仕事を考えられないとなると、いまにはじまった事ではないものの、就活という視点でみれば、割に合う、合わないではとても計算できない学部生の姿がここにあり、それが長い間変わることなく、うっちゃられているということだ。

ついでだが、その三枝のやはり記事の中での発言。三枝が言うのだから、正しいのだろうが、地域の活性化策で地方都市などが「音楽の街づくり」を掲げて予算数千万円規模の施策を講じても、それで経済効果を生むのは不可能だろうとのことで、これまた厳しい指摘だ。

音楽の街づくりでは最右翼の活動をしている浜松市で、そう、あのヤマハがある浜松市でさえ、やっとこさ、その数千万円の規模ではないのか。――となると他の地方都市などの活動は推してしるべしで、無駄を承知ではなく、無知で取り組んでいるにすぎないということか。

三枝はここでザルツブルクの音楽祭の例に触れ、何百億円も投じて、世界的な音楽家やプロデューサーでも招かない限り人を集めての成功はまぬがれがたい、と発言している。

それにしても、この金額のスケールの隔たりは、もしかしたら日本の文化行政のお粗末さがそのまま浸透してしまっていることの帰結ではないのか。いつの間にか、その程度の額が常態化し、やがてそれが、その程度の額で済むという常識になってしまっていることの……無知さ加減故の。

タグ：: #就活; #音大生; #音楽祭イベント; #音楽地域振興; #芸術地域振興; #地域興し音楽祭; #音大生の就職

April 09, 201015:01

カテゴリ: 経営学・ＭＢＡ; スキル・学ぶ

スタンフォードやハーバードのメＭＢＡソッドに、懐疑的な意見を吐く大前さん

２０１０年４月９日（金）

前回、大前研一に触れたので、今回は大前がＭＢＡについて述べている、いや、もっとはっきりいえばスタンフォードに代表される「フレームワークメソッド」やハーバードビジネススクールに代表される「ケースメソッド」について、懐疑的な意見を述べているので、それを紹介したい。

意見は、もともとネット上の映像にあったもので５年前のものだ。使えると思って以前、ある原稿に一部だけ利用させてもらった。だから、ここで紹介するものは、大前の発言そのものを映像からほぼ書き起こしたものだ。

大前自身、自分でビジネススクールを経営しているので、他のビジネススクールは彼にとっては競合となる。で、映像を見る限り、競合を揶揄したり、こき下ろしたりするために大前が懐疑的な意見を吐いたとは思えない。大前が教鞭を執った経験から、素直に意見を述べていると思える。そして、この懐疑的な意見が実に鋭い指摘なのだ。

――以下は、大前の発言。はじまり――

「フレームワークを教えると（学生たちは）フレームワークにとらわれる。これは良くない。例えばスタンフォードの学生は、『先生の言ってる事って、どのフレームワーク（のこと）なんですか？』というような質問をしてしまう。」

「世の中に、経営者で、フレームワークを使って経営している経営者はいない。見たことが無い。もともと学校の先生がフレームワークをつくって、ある経営者のやっていること（経営スタイル）に（フレームをあてはめてみると）『ああ、こういうフレームワークでやってるんだな』というに過ぎない。経営がまずあって、そこに後付でフレームワークを考えて適用し、そういうことか、と得心しているに過ぎない。だから生徒たちが考えていることは逆さまだと思っている。」

「例えばある企業の経営はマイケル・ポーターのバリューチェーンというフレームワークでやっていますと教わるから、こんどはすべてのことをそれで解釈してしまおうとする。
大経営者はそういうことはしない。そういうことは考えずにビジネスとは『かくあるべし』とやっている。このへんが本末転倒になっている。」

「ところがフレームワークを４つ覚えると、この問題はどのフレームワークにあてはめるべきかと先に考えてしまう。自分の頭が動いていない。」

で、大前は思ったという。
「こういうやつらを世のなかに出したら、まずいのではないか」

それで学生に向かって、そのように言ったら、ものすごい反発を受けたという。
「これを学ぶことによって、自分たちは世界一の学校を出たことになるんだから、世界一の給料貰ってあたりまえ」
そう、学生たちはほざいたというのだ。

さらに、彼らに教える先生も「君らは凄いね」と言っている、と。
なぜ、そう言うかというと、先生もその方が教えやすいからだ、と大前。
そして、ここに問題があるとも。大前は６８名に教えたが、ほとんどの学生が、そのパターンだったとのこと。

それからハーバードのメソッドは「古すぎる」と指摘している。

「それは、『ケースはつくるのに２年半もかかる』――ハーバードの場合は。なぜなら、しっかりしたものをつくらないといけないわけがあるからだ。」

「世界中に下請けにだしてしまうからだ。その間に、会社の状況は変わる。極端にいうとつぶれてしまう。」
（「下請けに出す」という意味がよく分からないが、前後の文脈から察するに、文字通りの意味で、下請けに調査・分析を依頼すると言うことか。そしてそれは、そのメソッドを世界中で展開するという事情もあるからだろう……。それでいい加減なものは作れないので、時間が掛かるということか）

「ケースはその時点のものだ。ところが経営は新しい情報が入ってきたら、自分の考え方を直していかなければならない。だから固定したフレームワークとか、起きている問題は新しい状況にもかかわらず、これはあのケースに似ていると思うと、クラスでのデスカッションを思いだしてしまって、コダックのケースだ、ポラロイドのケースだなどとなってしまう。」

「私はパターンを教えなければいけないと思うけど、教えすぎる事の恐怖をこの両者で感じている。
だから私はリアルライフでできるインターネット授業は、出来るだけ事例を入れて最新の素材を使いながら、やっていこうと考えている。もちろんクラシックな事は教えますよ。理論的なものとかを教えますけど、それだけではダメなんです。」

「自分の目で見て解釈しなければいけない。自分の目で見なさい。新しい事実を受け入れられるようにしなければいけない。」

「そのためには、メディアが伝える各企業の時流の問題などを『自分がそこに置かれたらどうするか』と自分の身に置き換えて考えてみる。同じような問題は自分の取引先にはないのかと、こういうことを考える〝クセ〟をつける。その方が柔軟性が養える。」

「だから私はビジネススクールはほとんど「歴史の教科書」のようになってしまっている、という印象を非常に強く持つ。「（現在は）前例のない時代にはいってしまっている」から、重要のなのはその種の頭を耕すことにある。」

――以上、ここまで――

大前さんが、こう言ってるのだから、何も付け足すことはないだろう。ただし、ＭＢＡ流のメソッドを神聖視して盲目的に礼讃する愚かさを知っただけでも、得たものは大きい。

ところで、それとは別に、先週からだったか日曜の夜にＮＨＫ教育ではじまったのが「ハーバード　白熱教室」。ハーバード大学の人気教授マイケル・サンデル（政治哲学）の講義のオン・エアだ。

とても素晴らしかった。講堂一杯の履修学生の数が、なんと約１０００名というのだから驚いた。それにハーバード始まって以来、初めて一般公開される授業だという。まさに「現代のソクラテス」を地でいく授業内容で、正解の無いような難問が繰り出される。学生たちとの質疑の応酬はもう必見。実に見応えがある。この番組は今後もたのしみ。

タグ：: #大前研一; #ビジネススクール; #ハーバードのメソッドは古い; #ビジネス・スクール教科書の形骸化; #MBAメソッドの問題点; #ビジネススクールの課題; #ビジネスメソッドの問題点; #フレームワークメソッドの弊害; #米国一流大学MBAメソッド

April 06, 201019:04

カテゴリ: スキル・学ぶ; ビジネス・ベンチャー

「決意を新たにした」だけでは――人間は変われないって、あの人が言ってる

２０１０年４月６日（火）

行動習慣を変えるなり、
なんらかの新たなアクションに結びつく行動を起こさなければ、

現状を変える、
あるいは人間を変えることなどできないのは分かる。

でも、それを分かりつつもその実、
「単なる決意」だけになってしまうのが凡人の常だ。

ただし下に記したように、
こうも正面切って警句（金言でもあるが）として断言されると、

なんか「おまえさんは、いかにもいい加減で、ダメ人間なんだよ」
との烙印を押されたような気分になってくる。

なぜなら、ぼく自身新しい決意をしたばかりだからだ。

それなのにこの警句に触れて及び腰気味なのは、

そもそもぼくの決意がこの警句を跳ね返すだけの、
決してブレることのない「決意」、
つまり心の奥底の信条や信念にまで届いて働きかけ、

場合によってはそれらを突き動かして人間を変えるだけの、
真の決意＝人間を改善する次元の決意に至っていないからだろう。

「人間が変わる方法は3つしかない。

①時間配分を変える。

②住む場所を変える。

③つきあう人を変える。

この３つの要素でしか人間は変わらない。

最も無意味なのは『決意を新たにする』ことだ」

数日前の大前研一のツイッターにあった、呟きならぬ警句だ。

特に「最も無意味なのは『決意を新たにする』ことだ」は、
繰り返すがぼくのハートにグサリときた。

で、これらの警句の意味するところをこの一日二日、
仕事の合間などに考えるともなく考えた。

大前が言う３つの要素で、

「場所」と「友人」は頷けて分かるが、
「時間配分」の意味するところがいまひとつよくわからない、
分かりそうで分からない。

ググッてみたら、
これらの警句は
大前と他の経営者たちが編んだ著書『時間と無駄の科学』から
引用されたものだということがわかった。

それに大前のツイッターの警句の数々は、
彼の著書などからの引用だということもわかった。

で、これらの警句は
もうすこし長い文だったこともわかった。

そしてあえて３つの要素のなかで一つを選ぶとしたら
「時間配分」を選ぶことが最も効果的と言っている。

でも、時間配分といわれても、
何を前提にしての時間配分なのかがぼくにはわからない。

この警句からも、ググッた後でもわからない。

（要は件の著書を手にするしかないのだが）書名から察するに、
ビジネスマンなら、
いかにスケジュールに忙殺される日々や時間の中にあったとしても、

「自分を変えたい」のなら、
そのガチガチのスケジュールのなかで、

あえて時間配分を変え（つまり時間を余分につぎ込んで）、
何らかの「新たな行動と結びつける」しかないのだ

と言っているのだろう、などと想像した次第。

で、繰り返すが、
「最も無意味なのは『決意を新たにする』ことだ」
はやはり胸に突きささってくる。

新年度がスタートして「決意を新たにした」人は大勢いるだろう。

同じように、
決意を新たにした一人として、
この警句をとりあげてみた次第。

※後日記す。「習慣化」に触れています。
後になって手にした齋藤孝「偉人たちのブレイクスルー勉強術」
（手にするなら解説がいいから、できれば文庫本がお奨め）などは、
もしかしたら「行動を促す」ための起爆剤として役立つかもしれない。

ついでですから、この本のエキスの部分を少しばかり。

齋藤はこの本で、
たとえば勉強が「できる人」と、「できない人」の違いに触れている。

そして、その違いは何なのか。

それは「分かる」と「できる」の違いだ、と。

勉強には、
「理解するプロセス（のわ分かる）」と

「習熟するプロセス（のできる）」の
両方が必要だとのこと。

で、続けて斉藤が言う。

「例題というのは理解のための問題。
練習問題は習熟のためのもの。
わかるとできるは大違いです。」

できる人は、この練習問題を５回、１０回とやる。
繰り返して鍛錬する。

苦しいのに、
嫌なのにどうして繰り返すかというと、

この人たちは、
「繰り返せば、できることが分かっている」からだ、と。

これ、最初から高い目標の千本ノックをガムシャラに行え、
繰り返せと言ってるのではない。

最初は５０本、１００本とやれば、
おのずと上達が見えてくる。

そしてこの上達が見えてくるまでは厳しいし、きつい。
でも、上達が見えてくればしめたもの。

上達が見えるから、苦しさはよろこびや楽しみに変わると。
となると高い千本ノックも可能になるということだ。

これって要は、
上で大前さんが言ってる三つのほかに、

「習慣化」が関わってくるとということだ。

そしてその実、
その習慣化が最も難しいのだ。

そこまでわかったら、
後は「習慣化」についてだ。

つまり求めるべきは、
何事かを決意した
その対象の「習慣化」にあるということだろう。

そして気づく。

習慣化って、
つまりは「時間配分」のことではないのかと。

そこまで分かると、
次は、どうやって「習慣化」するか、だ。

作家の故宇野千代が言った「習慣化」についての有名な話がある。

「作家になりたかったら、ともかく毎日、机の前に座りなさい」

書く、書かないはさておき、座りなさい、と。

こう記して、わかってくるのは、
決意とはどうやら、
「自己啓発」の分野とかかわってくるようだ。

前の方で触れたが、

習慣化するには、心の奥底を揺さぶるような、
強烈な「人間改善」に結びつく何らかの人や言葉などとの出会いがいるのでは――。

つまり啓発の分野ですね――。

タグ：: #大前研一; #新たな決意; #変化と決意; #人間が変わる方法; #現状脱出; #行き詰まり突破; #決意と旅立ち; #習慣化; #自己改善と習慣化; #自己啓発

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