玉川上水(武蔵野市)の事務所から…

ライターの仁です。企業広報分野でIR(Investor Relations)などの仕事をしています。折々の、あることないことで、気にとまったことを発信します。

December 2008

押し詰まっても早朝から原稿作業

12月30日(火)

■このところの習慣で午前4時起床。押しつまった年の瀬だけど、フリーランスには年末も年始も関係ない。年が明けた来年は不況が一段と厳しくなると認識しているものの、とりあえず今は仕事があることに感謝してひたすら仕事に取り組む。

■カミさんが居ても居なくても生活パターンはまったく自由でぼくの気儘なスタイルだが、今年カミさんは親の介護で帰省を繰り返していた。この年末年始も田舎にいる。だから一人暮らし。

■仕事の目途がついたら、帰省するつもりでいたがそれが怪しくなってきた。それに年末年始をスキーで過ごす知人から連絡があり、温泉付きで待ってるから来ないか、という誘い。珍しく雪が降らずスキーが出来ないのではと思っていたらしいが、先週末に雪が降ったばかりだという。田舎か温泉か、どちらを選ぶか決めかねている。それ以上に、動けるかどうかの目途がつかない。年賀状のせいである。

■仕事の合間に年賀状を書いて、年賀状を書く合間に仕事の日々。仕事用の年賀状は昨日でどうにか済ませてポストに投函できたが、個人用のものはこれから(デザインも何も全く用意してない)。

■昨日、いきなりプリンタが動かなくなった。前日までは正常に動いていた。エラーを示すパイロットランプが点滅し、プリンタヘッドが違うのどうの、という指示がでている。これまで一度も体験してない指示である。ぼくのプリンタは電子レンジのようなタイプで3年ぐらい前のもの。

■マニュアルを繰ってもその指示に関する内容は出ていない。どういうことだ? マニュアルに出てない故障とは(明らかにマニュアルの不備)。

■ネットで調べたら、交換するしかないとある。それが本当なのかどうか、とにかくプリンタとしばし取っ組み合い。外してははめ、はめては外しをいくら試みてもがんとして動かない。すべての機能が停止したまま。再びネットで調べたら交換部品として売っている。なのにマニュアルに載ってない。

■らちがあかないので吉祥寺のヨドバシで交換の新しいものを買った。ついでに交換インクも。一万円札が消えた。オフィスでコピー機器が欠かせないように、僕らライターにもコピー機は欠かせない。できた原稿を確認するのは画面ではなくプリンアウトした紙面でなければならないからだ。だから文字原稿の確認でモノクロの印刷は大量に使用する。

■新しいプリンタヘッドをセットしたら動いた(今日の時点で動かなかったら痛い)。旧に復したので、これから仕事が一段落したところで、年賀状にとりかかる予定。元旦の配達が無理なのは承知。結局、今年も年賀状は押しつまってバタバタするはめに。今日明日でなんとか終わらせなければならない。年内のポスト投函はぼく自身のけじめだ。でもけじめと言うものの、年が明けてから出しても別に悪いことではないのでは……などと思ったりもしている。

仕事納め 自動車産業トップの発言二題

12月26日(金)

■大半の企業が今日で仕事納めだろう。急速な経済の失速をまねいた強い逆風が吹く中での仕事納めである。ひとまず年末年始を過ごせば、さらに一段と厳しい逆風の年が待っている。

■昨日今日と日経での自動車メーカートップの発言に感じるものがあった。まずは昨日の紙面からでスズキのトップ鈴木修会長兼社長。
――自動車産業の回復見込みを問われて、
「今が底ではない。米ビッグスリーの経営危機の影響がまるで津波のように時間差で日本に押しよせてくるとみている。(津波の到来は)来年7−8月頃だと思う。これが今回の自動車不況の一番の底になるのではないか」そして全治5年と見られていたが、それが3年に短縮するか10年に伸びるかは、来秋の状況によるだろう、との発言だ。

■「底が7−8月」だというから、厳しさはまだまだこんなものではない、ということだ。

■もう一人はホンダのトップ福井威夫社長だ。F−1撤退には不況だけではない理由もあった。
「今起きているのは繁栄の百年から次の百年への変わり目の危機だ」

■それで、F−1の数百人の技術者という資源を研究開発につぎ込むというわけだったのだ。金融危機が去っても自動車産業には、エネルギー危機や地球温暖化問題が残るからだ。言うまでもなく、環境技術は自動車産業の今後を左右するのだが、トップの発言として、しかもホンダのトップの発言として聞くと、思わずうなずいてしまうものがある。

■たとえばこの夏の原油先物相場の高騰。金融危機がなくとも自動車の販売は大幅な減少をまぬがれなかった。そして近い将来、中国で4人のうち3人が車を持つことになれば、中国一国だけで現在の石油需要を上回る量を消費してしまうという。

■とにかく裾野の広い自動車産業のトップの具体的な発言を拾うと、いろいろとこちらが持つ情報に関連するものとつながり、想像力が拡がっていく。

■産業の主役という意味では(経済的な規模で)ITにその座を譲ったが、他産業をも含めた裾野の広さを含めると、まだまだ主役といえる。

■早朝から仕事をしていて、朝刊が届いてひと休みしながら、これを書いている。今日はことしの最後の忘年会がある。出版社の仕事先のもので、お呼ばれが掛かった。ポジティブ、ネガティブと、いろいろ波乱もありそうで面白い話が聞けそうだ。

数値で見る経済総崩れ!環境急変のキャノンやソニーの姿も

12月21日(日)

■世界同時不況とはいえ、「輸出が大幅に減少して経済総崩れ」、これが日本の経済の現状の姿である。この一週間の日経の記事をなぞると、それがはっきりする。

■輸出が総崩れになると、叫ばれるのがおのずと内需主導型の経済成長である。この内需主導による経済成長が最初に唱えられたは80年代の前半。日米経済摩擦が生じ、日本の経常収支(貿易による収差益)の黒字が大幅に上昇した。たしか日本の車が、デトロイトでハンマーを持つ労働者にたたき壊されている映像がテレビで連日のように流されていた(今でも当時の映像として象徴的に採りあげられる)。その当時で、

・純輸出の経済成長への寄与率は30%。

■バブル絶頂期の80年代後半は内需主導だった。バブルが弾けた後の90年代は一貫して輸出主導になる。21世紀もそれが継続して01年1月から昨年末までの6年間の成長をみると、

・これがなんと60%の寄与率に。

■結果、「経済総崩れ」と言うわけだ。成長に貢献した設備投資は見直されて先送りされ、今ではパタリととまってしまった。輸出に引っ張られての投資だから、当然そうなる。

■ところで経常収支の60%の数値は高いものの、個々の貿易に関する数値を見ると、個々の企業の面白い姿までもが見えてくる。まずは07年度の海外売上高を米国企業との比較で見てみる。

・たとえば家庭用品。P&Gの62%に対して、花王は29%、飲料だと米コカコーラは73%で、キリンホールディングスは16%。

■セクターベースでみるとこういう数値になり、まだまだ世界企業の後塵を拝している。総じて世界のガリバーから大きくリードされている。同じ貿易統計でも、日本の主要製造業の海外売上高比率ではどうか。

・99年度が36%で、10年度は50%近いと大和総研は予測している。

■経常収支と較べると10ポイント低いが、10年ほどで14ポイントの伸びだから、やはり大幅な伸びを示しており、今後もこの数値は伸張する。

■ところでこの売上高を伸ばす製造業の鍵となるのが研究開発費だ。将来の収益確保のためにはなくてはならないもである。研究開発費の効果や寄与度を測る指数が効率性(の数値)だ。

■たとえば98〜02年度の5年間の研究開発費が、次の5年間(03〜07年度)の増収にどれだけ寄与したかを計算すると、その効率性が自ずとわかる。

■07年だと、電気・精密の業界で最高の利益を上げたのがキャノンで、98〜02年度の5年間で研究開発費は合計で1兆円。この5年間の合計売上高で見ると、

・03〜07年度の合計売上高は5兆円増えている。研究開発費の5倍である。

・同様に計算すると、日立製作所は3.7倍、ソニーは1.7倍にすぎない。


■研究開発費の巧拙が業績を大きく左右するということだ。かつては神格化されていた企業ソニーの凋落は、この数字を見ると、よく理解できる。もはや「研究開発型」を名乗るにはふさわしくない企業の姿がありありだ。

■連日のニュースが採りあげている非正規労働者の削減問題は、トヨタやキャノンがトップが切って発表した。現財界トップと前財界トップの企業が、いわば旗振り役となって発表したものだから、後はどの企業も右にならえ、である。

■当初、07年度に史上最高益を達成した大手企業が、なぜ今になって急にリストラ策なんだ、という思いがあった。そのわけは次第に企業内部の姿が見えてきたことと、世界同時不況がただならぬものとしてその実相が伝わってきたことで、理解できた。グローバル化がもたらしたものと言えばそれまでだが、こうして数字の一端をみると、報道発表では表だって伝わらない姿の一端がかいま見えてくる。

内田康夫『黄金の石橋』と柴田錬三郎「立川文庫」を読む

2008年12月17日(水)

■数年ぶりで内田康夫とシバレンの作品を読む。内田作品の浅見ものはほとんど読んでいる。いわゆるミステリージャンルで常連の人気作家では、読むのはこの作家ぐらい。他の人気作家はまず読まない。今回読んだのは「黄金の石橋」。九州には肥後を中心に石橋が散在している。その肥後の石橋と鹿児島県菱刈(町が合併してこの町名が消えていた)の黄金を掛け合わせたストリー展開。

■九州に石橋が多数存在することを知ったのは3、4年前。熊本県出身の知人がいて、彼の田舎周辺に大小の石橋が相当数存在している。そのときはそんなものかという程度。今回ネットで調べたら、九州各地の石橋がいろいろと出ていた。石橋の歴史も含めその概略を知る。石橋の博物館も存在している。西南戦争で西郷が、戦況が不利になり鹿児島へ引き上げる道筋に、つまり熊本県の内陸部あたりに石橋が多い。

■もう読むことはないかと思っていた内田作品の浅見ものだが、手にしたのは石橋よりも“黄金”に興味があったから。てっきり菱刈鉱山が出てくるのかと思ったら、鉱山があるという事が一行出てくるだけ。菱刈鉱山が稼働する以前の、菱刈の町で行動していた山師たちに話がおよぶ。ただし作品として読者を惹きつける惹句が悪くない。テレビで浅見役を演じた俳優・榎木孝明が今回の事件の依頼人として登場するというひねり方。榎木がこの菱刈の町の出身だからで、彼の母堂がこの作品では真の依頼主。

■菱刈には世界屈指の良質の金鉱山である菱刈鉱山があり、住友系の非鉄大手が保有している。以前ここを取材したことがあり、それで菱刈や隣の大口市などの地理もすこしは分かっているので興味をもって手にしたのだ。この鉱山はまるで工場そのものだった。それで稼働という言葉を上述したのだ。

■ミステリー作品としての内田のロジックの展開はどの作品も鮮やかなものがあるけど、作品によって面白さが違う。今回は話はまとまっていても、ぼく自身としては面白さではCランク。

■シバレンは「柴錬立川文庫」から真田十勇士関連。猿飛佐助や霧隠才蔵などがそれぞれに採りあげられており、伝奇ものだ。佐助が武田勝頼の子だったり(つまり信玄の孫という設定)、才蔵が外国人だったり、三好清海が石川五右衛門の遺児だったり、とまさに奇想天外。

■これシバレンの1960年代の作品のようだ。漢学の素養が作品の文体にいかんなく発揮されており、それがぼくには、読み手としての快楽。シバレンには膨大な作品があるが、これらは初期の作品。柴錬立川文庫では読んでいる作品もあるけど、一度、洗い出して、このあたりの初期の作品をじっくり読んでみたい。二人の作家の作品は歴史との関わりもあり、面白いのだ。他に中田安彦『ジャパン・ハンドラーズ』『世界を動かす人脈』、それに二昔前に読んだ小室直樹の一昔前の原論シリーズを数冊。

西友の「チラシ価格照合」販促策 むしろサービス後退では

2008年12月12日(金)

■西友の、他社のチラシ持参による「価格比較照合」の販促策が注目を集めているが、これって起死回生の販促策としては無理があるのでは。いや、無理ははなから承知で、PR戦略を意図しての策ではないか、とさえおもえてくる。

■今朝の日経流通紙の一面がこの販促策に切り込んでいる。記者が実際に他社のチラシを持参して購入してみたそうだ。値引きがどこまでOKになるのか、と。

■案の定である。どうやらこの販促策は、PR色だけが強く、現場では実際に客がチラシを持参して価格を照合するのは一店舗で10件程度と西友側が答えている。

■記者が言う。レジ待ちの列でチラシを見せながら価格照合を行うのは、「それだけで勇気がいった」と。そんなことは考えるまでもない。食料品売り場でレジ待ちの列がありながら、チラシを持参して、ニンジンの価格がどうの、大根の価格がどうの、リンゴの価格がどうの……などといっていたら、レジ待ちの客から白い目で見られるに決まっている。

■ぼく自身、レジ待ちでいらいらすることは毎度のことだ。とくに老人の支払い時のもたもたには閉口する。苛立ちを覚えるが、それでもまだ老人だから、と自分を抑えている。なのに、チラシを持参した客が、レジで価格の照合比較をされたのでは、たまったものではない。

■その程度の客の心理は当然予見できたことだ。だからPRを意図したことだとは言わない。先週だったか、この販促策の導入のために、人員整理をして、安売り策の財政的な対応をした上でのこととあったからだ。

■それから衣料品売り場ではどうか。ユニクロのカシミアやセーターのチラシの価格を見せたら、「ユニクロさんの衣料品はPB商品なので、それぞれ品質が異なるため対象外」との答え。アディダスのような一部のスポーツウェアなら対象になると言う。それに西友自体が衣料品ではPBを数多く扱っており、この販促策自体がすでになじまない。

■生鮮食品は産地や規格が同じものに限られ、総菜や店内調理のパン、酒、予約商品なども対象外。それに他店が実施する時限セールの価格も対象外とのこと。となると、この販促策は客の気を惹きながらも、現実には客を混乱に巻き込むだけではないのか。つまりこの策って杜撰だし、西友としてはむしろサービスの後退になるのではないか。

■客の心理を心底考えての販促策なのか、かなり疑問。まだこの先の展開があるけど、「へぇ〜」という本当の感心を客から引き出せなければ、客の反感を買うだけにおわるのでは……。

青梅線利用でメーカーの取材 帰途、立川駅前を散策

2008年12月11日(木

■立川から青梅線で昭島、拝島の奥の方にはいり、某社の工場を取材。昼食も工場の大きな食堂で食べた。普段と違って面白い。

■メーカーの工場取材は好きだ。もっと好きなのは研究所の取材だ。ある領域や分野の最先端のところで今何を研究・開発しているのかが聞けるからだ。もっとも、これも慣れが必要だし、まったく不案内なジャンルとなると、こっちもそれなりの勉強を強いられるので大変だ。

■どこまで書き込むかによるけど、仕事によっては前もってレクチャーをしてくれるところもある。ある企業のある仕事では、わざわざ業界紙の記者をレクチャー役につけてもらったこともある。専門の領域でちんぷんかんぷんだったが、録音内容を何度か聞き直してなんとか取材対象がどういうものなかのを把握でき、それから改めて取材にはいった。いずれにしろ守秘義務があって、今日のことも含めて話すに話せないのが残念。今だったらインサイダー取引で大騒ぎになるが、昔はおおらかで、取材の後に、これでこの企業の株を買ったら絶対にあがるぞ、とかなんとか言っていたことを思い出す。

■帰途、スタッフと別れてぼくだけ立川で下車し北口駅前周辺を歩く。これまで再開発後の立川の駅前を何度か訪れているけど、それにしてもこれだけ変わった街はそうそうないのではないか(都心のいくつかの大がかりな再開発地もそうだけど、立川は土地があるからな。それにモノレールという交通機関の新設が変化に一層大きね影響を与えているだろう)。昔を知っていてたまに訪れるから、その変わりようには未だに驚くばかり。モノレール線路の下の道路が北に向かって一直線に伸びており、そのまっすぐに伸びた広々とした道路が、なんとも心地よい。車が走ってないからだが、いつの間にかぽくぽく歩いていた。

■さすがに街路を外れたら、人はいない。いい加減歩いて左の方に折れたら、これが昭和記念公園。それにしても周辺の道路の整備の見事なことに驚いた。広々とした整備された道路はぼくの知る頃とはまるで違っている。それに建物がまだ建っていない。開発の余地はまだまだありそうだ(不況で無理だろうが、10年したら、ビル群になっていたりするかもしれない)。

■駅前再開から取り残された地域はどうかと、北口駅前の西側の一画も歩きまわる。以前南口を歩いていたら、開発地区と開発から取り残された地区が通り一本隔ててまるで街並みの風采が異なるので驚いたことがある。片や明るく輝いてハツラツとしているのに、片やくすんで寂れているのだ。おいてけぼりを喰った雰囲気が無惨にも残っている。

■それにしても、駅から10分前後の所にマンションや団地が驚くほど建っている。再開発地区とほとんど一緒だから、生活の便は申し分ないだろう。緑は昭和記念公園があるし。

■カフェーにはいって休んだあと、ビッグカメラを覗く。最新のデジタル一眼レフカメラの35ミリサイズの最高級機を手にしてみる。大きくて重い。高くて買えないが、それ以前に、ぼくには重くてとても使えないし、使いこなせない。でも、素人でもこれならプロ並みのきれいな写真が撮れるのだろう。本当なら、ライターはカメラを持って仕事で使うこともあるのだが、幸いなことにぼくの場合は、仕事ではほとんどカメラマンが同行している。これって恵まれているってことか。ところでデジタル一眼レフだが、最近では一眼レフの“レフ”が必要なくなって一眼デジタルカメラと呼ぶのだそうだ。

ホームページビルダー13 吉祥寺 富士山 岡本太郎 マセラッティ

2008年12月7日(日)

■発売されたばかりの「ホームページビルダー13」を吉祥寺まで出向いて購入してきた。せいぜい個人用のホームページを作成する程度のソフトの能力だろうと思う。デザイン能力はまるで持ちあわせていない素人のぼくにもどの程度のものが作れるのか、試してみようと思い買ってきたのだ。出来たらこのブログとも連動させたいが、どれだけのものができるのか……。

■師走の吉祥寺は路地裏まで雑踏でごった返していた。道という道が人の波で埋めつくされている。押しよせる大波に呑み込まれるような人の波でまともに歩けもしない。

■師走だし休日だしで街の雑踏はわかるけど、注意してその雑踏の流れを見ていたのだが、ショップの買い物袋を持った人が意外にすくない。景気後退の波で、人出はあっても買い物を手控えているのかもしれない。

■帰途は電車。既に日が落ちていたものの、あかね色に染まった西の空に大きな富士山のシルエットが見えた。空気が澄んでいるからだろう。何か得した感じだ。

■富士山と言えば午前中、ネット上で各地のライブカメラを見ていたら、たまたま国内の世界遺産関連のライブカメラのホームページに出くわした。北海道知床から、沖縄の宮古島まで出ていた。

■圧倒的な数のカメラがセットされていたのが富士山。静岡、山梨の市町村、それに施設や企業がセットしている。すべてを覗くほど暇ではないのでやり過ごしたが、これって八の字文化が今でも生きているってことか(いま、不意に「八の字文化」という言葉を思い出した。何十年ぶりだ。確か、岡本太郎が富士山になぞらえて、日本人の個性のない似通った同質の気質を否定的に揶揄した言い方だったと思う)。それとも周辺ならどこでも富士山を捉えられるからか。あるいは、このホームページの主がたまたま富士山だけを数多く集めただけか。いずれにしろ、シルエットの富士山は美しかった。

■気分転換でウォーキングを兼ねて吉祥寺まで歩いてきたのだが、井の頭通りは車が渋滞していた。ところでこの10日間のあいだに横浜と東京の青山でマセラッティのショールームに偶然でくわしたのだけど、先ほど吉祥寺に向かっている途中で、何気なくあるお宅の車庫をみたらそこにはマセラティが鎮座ましましていましたね。

■今は、小さな一軒家でもメルセデスやBMWが置いてあるのは珍しくはないけれど、さすがにマセラッティとなると、そうそう買える車ではない。そのお宅はたしかにご立派な、マセラッティを持っても不思議はないようなお宅でしたね。ほんの数十年前だけど、外車、特にアメ車の大きな車を持つのがステイタスだった時代があったけど、今だと、このマセラッテイぐらいの車を持ってることがステイタスと言えるのだろう。それにしてもいい車です。マセラッティ、新車が出たばかりです。

晩秋の都心を、ひたすら歩きまわった4時間

12月3日(水)

■午後は晩秋の都会を延々歩く。半分は仕事、半分は気ままな街歩きだ。好天に恵まれた。青山一丁目からミッドタウンに通じる道路を歩いて乃木坂。そこから青山墓地側に出て再び青山一丁目、青山通り、そして表参道、原宿、さらに明治通りを渋谷まで歩く。歩行時間は通算でおよそ2時間ぐらいだろうか。途中、いろいろと調べながらだ。だから約4時間の行程。来春開催されるあるプロモーションの仕事にかかわり、そのための調査である。

■乃木坂での下調べを終えて、近くのビルで開催されている建築家安藤忠雄展を覗く。狭いビルの空間で写真パネル中心の展示。結構、混んでいた。どちらかというと、プロ向けの展示と言えるかもしれない(もっともあのスペースで作品展を行うとすると、パネル中心にならざるを得ないか。だから説明はほとんど無しで作品名だけ)。だいぶ以前にも安藤忠雄展をみているが、そのときのほうがまだ素人には理解できた。アートの展示的な感覚で見られたからだ。たしか今は美術館になっているが、神宮前にあるギャラリーワタリ(今はワタリウム)だったと思う。

■これもだいぶ前になるがコルビジェ展を見たときは本当に楽しめた。建築家というよりまるっきり芸術家、アーテイストの展示会だったしね。絵なんか、まるでピカソのキュビズムを思わせるそれだったしね。

■もうひとつ違うことを思い出した。このビルにはだいぶ以前、高名なコピーライターの事務所があったのではなかったか。一度だけ訪ねた憶えがあるのだがちがっているかも。いや、たしかにこのビルだと思う。なぜならこのビルを所有している大手企業のコピーの仕事をたしかやっていたはず。おもしろいことに事務所のなかにバーカウンターがあったので、ススンデルゥ〜と思ったことを覚えてる。

■師走の表参道はなぜか混雑していた。表参道ヒルズ(安藤作品だ)を覗いたら、クリスマス音楽とツリーやイルミネーションがあの吹き抜け一杯に飾られていた。近いうちに電飾の専門家とあう。いろいろと話を聞けるので楽しみだ。とにかく日本列島がイルミネーションで輝いている。こんな国ってあるんだろうか。

■原宿から渋谷の明治通りは若者ばかり。まるで異世界の如く。歩いているだけで疲れてくるが、これも仕事。そういえば、トラックの荷台を映像付きのPR広告カーに改造した車が青山、原宿、渋谷の街で幾度も出会う。いずれも若者向けの音楽を流して走っていたが、ぼくには単なる騒音にしか聞こえない。若者に人気のアーティストなので、それなりの効果はあるのだろう。

■渋谷のカフェーで一服して、帰途につく。本当は今日、秩父の夜祭りに出かけるつもりでいた。ところが今日の調査でないとどうもスケジュールが厳しいので秩父は断念。あの秩父の祭囃子が耳朶の奥に響いている。

■それにしても東京という街はしばらく行かないと、もう街の姿が変わっている。それを頭ではわかっていても、歩くことでその変化の実体を目の当たりにすると驚くしかない。もうこの変化にはついていけない――ついていく気もないが。

■さて明日からはしばらくは籠もっての仕事になる。それにしてもジョギングとウォーキングの成果か、2時間歩き回ってもまったく疲労をおぼえない。
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